1993年医療福祉建築賞
兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院
所在地 | 兵庫県神戸市西区曙町1070 |
病床数 | 300床 |
延床面積 | 19,948㎡ |
竣工年月 | 1992年2月 |
開設者 | 兵庫県 |
管理者 | 兵庫県 |
設計者 | 兵庫県都市住宅部営繕課 |
施工者 | 大林・五洋・曽根・母倉特別共同企業体 |
【選評】
兵庫県におけるリハビリ医療の中核的病院である.施設・医療備品等すべてを兵庫県が支出,運営費も全額県の一般会計より支出されているという恵まれた条件に甘んずることなく,職場ごとの職員の徹底討論による施設のあり方の追求と営繕課の設計担当者がそれらをよく理解し,正しく責任をもって実行した結果,職員は「自分達の意志を実行し,責任を負う」ことになった.病院全体平面はすっきりとまとまっており,空間は伸びやかでゆったりとして快い.それでいて病院各部,特にリハビリテーション部(36m×24mの機能訓練ホールを持つ)は活気があり,遊休部分はなく,病院全体が活きいきとしている.病棟はエレベーター近くのナースステーションを中心に諸室を配するNUを各階に2つ配し,平面計画の基本に則りながら,「個室化」「便所分散化」にはリハビリ患者への実務上の研究から,ここでは否定的な形をとっている.また設計は,市販の部材に満足せず「自分で工夫する」姿勢がいたる所に感じられ,気持がよい.全般に病院も設計側も,お互いを認めあう自立と自責の態度が優れた病院をつくり出した好ましい例であり,自治体の施設建築はこうありたいという優れた実例である.