1997年医療福祉建築賞

市立岸和田市民病院

市立岸和田市民病院

 

所在地 大阪府岸和田市額原町2
病床数 360床
延床面積 27,025㎡
竣工年月 1995年11月
開設者 岸和田市
管理者 岸和田市
設計者 名古屋大学柳澤研究室(基本計画)
㈱山下設計
施工者 大林・南海辰村・才門・岩出・リバー共同企業体
【選評】

 大きな菱形病棟と低層の診療部がホスピタルストリートで結ばれているところに特色がある.菱形病棟は三角形を2つ合わせた形であり,病室の方位が考慮されたこと,ナースの動線の短縮,診療棟との間にゆとりのある空間を生じることなどに利点がある.また将来の老人保健施設の増築にも備えて計画されていた.
 全体は8.5mスパンで構成されるが,手術室や中央診療部などの広い空間に対応しやすくなった.手術部は典型的なクリーンホール型であり,手慣れたベテランの計画を感じさせてくれる.サポートシステムはスムーズであり,良好に機能している.一部の動線や救急入口まわりに質問を抱いたが,全般に管理運営側の評価は極めて高かった.外観の病室のぎざぎざは注目に価するであろう.建築としてよくまとまっており,高水準を示す公立病院の好例ということができる.