1999年医療福祉建築賞

特別養護老人ホームとかみ共生苑

特別養護老人ホームとかみ共生苑

 

所在地 山形県山形市富神前6番地
定員 100名
延床面積 5,518㎡
竣工年月 1997年10月
開設者 社会福祉法人やまがた市民福祉会
管理者 社会福祉法人やまがた市民福祉会
設計者 ㈱羽田設計事務所
施工者 ㈱山形建設
【選評】

 ワンパターンの収容施設を想像しがちな特別養護老人ホームに,これだけ温かみのある設計密度の濃い施設があったのかというのが第一印象であった.鉄筋コンクリート造を感じさせない木質系材料の多用(特に木製建具),程よく区切られた中庭と内部空間の連続性,全個室を実現した上での豊かな共用スペース(特に床暖房)でまとめたユニットの区切り方,地域交流スペースによる地域社会とのつながり,などなど感銘を受けるポイントの多い作品である.
 ただし,現地視察の際に共用スペースを使っている人が少なかったとか,木質系の材料やおさまりの種類が多すぎるとか,外からはデザイン上重要な要素になっている塔が内部から殆ど見えないことなど,不満の意見があったことも事実である.
 しかし,委員の一人が北欧の施設と遜色なしと言い切ったほど,全体的にレベルの極めて高い施設であった.全国の類似施設のレベルアップにつながることを期待したい.