1999年医療福祉建築賞

長岡赤十字病院

長岡赤十字病院

 

所在地 新潟県長岡市寺島町千秋ヶ原
病床数 751床
延床面積 50,436㎡
竣工年月 1997年6月
開設者 日本赤十字社新潟県支部
管理者 長岡赤十字病院
設計者 ㈱山下設計
施工者 熊谷組・安藤建設・福田組・本間組・吉原組特定共同企業体
【選評】

 ゆとりのある敷地条件を活かして高層部と低層部を明確に区分し,見通しの良い外来診療部と楽しいアトリウム(災害時には臨時の病棟になる)の空間構成は成功している.12階の食堂と展望浴室は好評であり,病院全体のサインデザインの色彩などは意欲的(ややどぎついという意見もあったが)であり,特に大空間を引きしめている.
 病棟は倉敷中央病院を思い出させる定番といえる平面であるが,ナースステーションと多床室群と個室群の関係などオーソドックスな構成で安定している.同一階2単位の規模だと,必然的に敷地に巨大な壁をつくることになるが,周辺の美しい景観に違和感がないか疑問が残った.病室の窓の障子は成功しているが,上下2段のサッシュの中桟は視界の障害になる.
 特に目立つ提案はないが,全体的に手慣れた設計手法で,安定感・安心感を与える作品である.