1999年医療福祉建築賞
市立豊中病院
所在地 | 大阪府豊中市柴原町4-14-1 |
病床数 | 619床 |
延床面積 | 66,383㎡ |
竣工年月 | 1997年5月 |
開設者 | 豊中市 |
管理者 | 豊中市 |
設計者 | ㈱伊藤喜三郎建築研究所 |
施工者 | 竹中・鴻池特定建築建設工事共同企業体 |
写真撮影 | 三輪晃久写真研究所 |
【選評】
鉄道駅から直接アクセスできる便利な立地条件ながら,極めて細長い高低差のある難しい敷地条件を巧みに活かした病院である.周辺の緑を活かした受付ホール,三角形病棟をはじめ全体に鈍角を活かした廊下コーナーの扱いなど,随所にゆとりのある好感のもてるデザインが見られる.裏からのサービスヤードにいたるアクセスや,保育所・職員宿舎などの密度の高い設計も印象に残った.
ただし,病棟デイルームの2層単位の吹き抜けは魅力はあるが,2層の上階にとって使いにくいとか,広いガラス屋根の維持が心配であるとか,1床あたりで5000万円に近い建設費用は他と比較して良すぎるのではないかといった意見もあった.現地視察で特に贅沢な印象はなく,面積的にも国際的なレベルから見れば未だ十分とは言えないという印象であった.
とにかく全体的には困難な敷地条件の中で,ゆとりのある作品を生みだしたと評価できる.