2002年医療福祉建築賞
特別養護老人ホーム 親の家
所在地 | 東京都武蔵野市八幡町3-4-18 |
定員 | 40名+ショートステイ8名 |
延床面積 | 2,489㎡ |
竣工年月 | 2001年3月 |
開設者 | 社会福祉法人親の家 |
管理者 | 社会福祉法人親の家 |
設計者 | ㈱象設計集団 |
施工者 | 戸田建設㈱ |
写真撮影 | 堀 定男 |
【選評】
武蔵野特有の短冊形敷地を逆手にとって,植栽や照明で丹念に計画された路地沿いに長屋が並ぶような形態が成功している.
ユニットケアが叫ばれる以前からの計画であるが,居室は各12人のユニット4つからなり,完全個室ではないが各人に窓と壁のコーナーを確保しているほか,各所にみられる居場所,程よいスケールの居間,いろいろな家具などが心地よい生活空間を創り出している.畳の居室もあり内装に板・塗り壁・和紙壁などを採用しているため昔ながらの懐かしい民家のような感じである.「常にかかわるケア」とも相まって人も空間もしっとりと落ち着いている.
3~4人居室内の共用スペースは使いきれていないことや,外装の木部の維持管理などに問題がなくはないが,運営者と設計者のケアと生活への想いが凝縮した作品である.