2007年医療福祉建築賞
医療法人青流会くじらホスピタル
| 所在地 | 東京都江東区枝川三丁目8-25 |
| 病床数 | 90床 |
| 延床面積 | 5,067㎡ |
| 竣工年月 | 2006年3月 |
| 開設者 | 医療法人 青流会 |
| 管理者 | 医療法人 青流会 |
| 設計者 | 清水建設㈱一級建築士事務所 |
| 施工者 | 清水建設㈱ |
| 写真撮影 | ＳＳ東京 横瀬博一 |
【選評】
東京都江東区の運河沿いというロケーションを活かして建設された，こころの治療を行う心療内科専門の病院である．
ここでは様々な医療機器，医療ガス・ナースコール等の設備類や手すりは見られない．職員も白衣は着用せず，ベッドや寝具類はホテル仕様，従来の病院のイメージをほとんど排除している．「静かに安心して過ごせること」を第一と考えた施設・病室づくり．病床は精神病床ではなく一般病床・療養病床で構成され，患者さんはほとんどが10代・20代という．行動の制限はなく，パティオ越しにさり気ない見守りが行える．病院というよりも質の高い寄宿舎といった印象を受ける．
これまで精神科病院では，さまざまな精神疾患・病態の患者さんが同一の施設で処遇されてきた．近年，急性期や認知症疾患などの治療を目的とした施設や療養・ストレスケアを目的とした施設等，機能の分化も進んでいる．
当院は，心療内科の中でも特に摂食障害やDVに対処できる専門病院として医療のニッチマーケットをカバーし，医療施設の新たなあり方を示すものである．