2008年医療福祉建築賞
愛和病院
所在地 | 埼玉県川越市古谷上983-1 |
病床数 | 43床 |
延床面積 | 8,283㎡ |
竣工年月 | 2007年3月 |
開設者 | 医療法人 愛和会 |
管理者 | 医療法人 愛和会 |
設計者 | 仙田満+環境デザイン研究所,大成建設(株)一級建築士事務所 本館改修インテリア:(株)ブレーンワーカーHOT+ビークスプランナーズ |
施工者 | 大成建設㈱ |
写真撮影 | カ・ドーロ(Ca’D’Oro)佐々木俊徳 |
【選評】
1973年に開院した愛和病院は,その後現在地に移転し,2006年10月に新館「愛ちゃんワールド館」がオープンし,翌年の4月には本館の改修工事が完成した.年間約2,400人の新たな命が誕生,「育母支援」をキーワードに安心して子供を生み育てる環境を整備し,乳児だけでなくその母親も支援する施設である.2008年には50,000人目の命が生まれ,名実ともに記念すべき節目の年となった.
外観は,新館の白,本館のピンクと基調の調和が図られている.新館は外側にウッドデッキを設け,庭にはオブジェ,また床材には桐を使い乳児の安全に心を配っている.
吹き抜け等を利用して柔らかな光が差し込み,室内の色も柔らかな落ち着いたもので,母子の安心にも資している.
病室は,バルコニーを備え眺望にも優れた寛ぎの環境となっている個室群と,4床室を3床室に改修した多床室群で構成されている.多床室はプライバシーに十分配慮し,希望に沿う病室の選択を可能にしている.セキュリティーへの備えや,レストラン,アロマセラピー,シャワー室など随所に工夫が凝らされている.特に育母の視点から,AIWAレクチャークラスのための施設は妊婦が安心して学べる環境となっており,女性の心強い味方となっている.