2008年医療福祉建築賞
のぞえ総合心療病院
所在地 | 福岡県久留米市藤山町1730 |
病床数 | 150床 |
延床面積 | 6,256㎡ |
竣工年月 | 2005年4月 |
開設者 | 医療法人 コミュノテ風と虹 |
管理者 | 医療法人 コミュノテ風と虹 |
設計者 | ㈱環・設計工房 |
施工者 | ㈱大林組 |
写真撮影 | 山崎 睦昌 |
【選評】
“スタッフも患者さんも家族も施設も庭も木も,全ての資源を治療のために”との医療理念を掲げた院長や副院長の精神医療に対する強い思い入れとこだわりに建築家の感性が応えた新しい精神医療空間である.
敷地の高低差と複雑な地形を活かした建物形態とアクセス,既存の大木を活用し更に植栽を加えた緑豊かな屋外環境.ここでは風,空,樹木,草花,水辺等の全てが癒しであり,治療のために存在する.
心に疾患を持つ患者さんにとって,“病院は何かあったとき帰って来たくなる実家のような存在であるべき”とのコンセプトに基づき,威圧感のない外観デザイン,木質系の内装仕上げと電球色の照明,室内に飾られた小物や絵画等々が温もりのある治療空間となり,中庭やあずまや,デイルームに続くウッドテラス,カフェテリア等々が患者さんにとって多様な居場所となっている.
敷地内には病院本館以外にデイケアセンター(木工倶楽部,茶室),福祉ホーム,援護寮等,敷地外にも地域活動支援センター,多機能型就労移行支援センター,グループホーム等々があり,治療と社会復帰支援に向けた取り組みが大きな成果を上げている.