2013年医療福祉建築賞
足利赤十字病院
所在地 | 栃木県足利市五十部町284-1 |
病床数 | 555 床 |
延床面積 | 51,804 ㎡ |
竣工年月 | 2011年4月 |
開設者 | 日本赤十字社 栃木県支部 |
管理者 | 足利赤十字病院 |
設計者 | ㈱日建設計 |
施工者 | 清水・渡辺・大協特定建設工事共同企業体 |
【選評】
休日にも開放されるホスピタルモールに足を踏み入れると,総合受付のない外来が視野に入る.患者の負担軽減を目的に,受付から診察・会計まで各ブロック受付基点で完結するワンストップ外来を導入しており,病院へのアプローチの新たな姿である.
基本構想から完成まで6年の歳月をかけた新病院は,将来の成長と変化に対応する分棟型建築と,快適な療養環境を提供する一般病床全室個室という解を導き出している.そこに至る過程では,ハードを構築する前段で,現病院長を筆頭とする病院スタッフが学識経験者を交え,堅固なコンセプトのもと新病院のあるべき姿を造り上げており,このことが全く新たな病院を結実させたと言える.
また,東海大病院において開発されたPFMシステムを採用し,診療科の垣根を取り払ったベッドコントロール・退院支援により高稼働率と平均在院日数短縮を実現させ,経営面での成功に結びつけている.
顧客主義(患者とスタッフ)を徹底させつつ,成長と変化に対応することで,機能的劣化を生じさせずに経済的価値を生み出し続けるという病院建築のあるべき姿を実現した先端モデルであるといって過言ではない.