2013年医療福祉建築賞
茨城県立こころの医療センター
所在地 | 茨城県笠間市旭町654 |
病床数 | 288床 |
延床面積 | 友部病院本棟 :14,996 ㎡ 医療観察法病棟: 1,851 ㎡ |
竣工年月 | 2011年3月 |
開設者 | 茨城県 |
管理者 | 茨城県 |
設計者 | 久米・早川建築関連業務共同企業体 |
施工者 | 建築/友部病院本棟:安藤・要・菅原特定建設工事共同企業体 医療観察法病棟 :㈱岡部工務店 |
【選評】
精神科の基幹病院として,患者に対する偏見を払拭すべく,地域とともに治療に挑む建物となっている.玄関を通り抜けると,売店やカフェ,患者がつくった作品の展示販売コーナー,カウンセリングコーナーなどから構成される交流プラザが広がり,地域との絆をつくる各種イベントが定期的に開催されている.交流プラザを中心に外来診療棟は,『まち』というキーワードで運用されている.
医療観察法病棟,精神科救急病棟,合併症・総合医療病棟,児童・思春期医療病棟等の各病棟は,外来診療棟の背後を取り囲むように配置されている.したがって,外来を訪れた患者及び家族は,病棟エリアに立ち入らなければ,入院患者と交差することはない.
病室は全室個室ではないが,プライバシーを守るという建物のコンセプトにより,患者の行動障害が減少するなど人間行動に変化が生じているという.
「精神科医療サービスを必要とするすべての県民に,安全で良質な医療を提供できるよう努めるとともに,患者の人権とプライバシーを尊重し,県民の皆様から信頼される精神科病院を目指す」という病院の理念が,建築として形に結実したといえよう.